ボタンコレクターの家川崎市の閑静な住宅街に建つ、ボタンコレクターのための住宅です。1階をコレクションを展示するギャラリー、2階を居住空間とする構成とし、アルミの質感、そして豊富な収納スペースが求められました。また、四方を隣家に囲まれる立地であることから、プライバシーを確保しつつ、開放的な空間を実現することが最大の課題となりました。
 内部と外部が交錯する空間
この課題に対し、各室と連続する外部空間の組み合わせによって、視覚的な広がりと複雑な空間体験を創出しました。具体的には、ギャラリーと「パブリックコート」、書斎と「プライベートコート」、2階のキッチンや浴室と「ライトコート」を連携させています。これらのコートは、外部でありながら内部空間と一体となり、また、パブリックとプライベート、上下階が複雑に絡み合うことで、単なる3次元的な広がりを超えた、奥深い空間のイメージを生み出しています。 
光が描く広がり
広がりを感じさせるもう一つの要素は、間接照明です。壁や天井の存在感を消すことで、光のグラデーションが生まれ、距離感が曖昧になります。これにより、空間全体が奥深く感じられる視覚効果をもたらしました。 
一体感のあるソリッドな外観
外装にはガルバリウム鋼板と有孔折板を用い、メタリックでソリッドな印象に仕上げています。塀も同様の折板で統一することで、建物全体の一体感を高めました。 
コストとデザインを両立する家具
内部造作家具は、高価なアルミではなく、アルミを貼ったメラミン材を使用しました。海外で製作することで、コストを抑えながら、クライアントの好むアルミの質感を十分に表現しています。